大和の特産

17世紀末には、吉野での杉や檜の育成林業が行われるようになり、杉丸太を中心とする杉、檜の商品化に対応して、材木の流送路であった吉野川筋の筏流しも盛んで活気がありました。杉を材料とする樽丸生産も盛況を極めました。

あと、江戸時代初期に中院町の浅田兵助が酒の中に米麹を浮かせたあられ酒(味醂酒)を考案し、糸屋宗仙という医者が瓜を南都諸白の糟(かす)に漬けて作ったのが糟瓜(奈良漬け)のはじまりです。

奈良筆は古来より言うに及ばず、松井元泰が研究と改良に心血を注いだ古梅園の製墨や春日大社神官の内職として発展したのが、団扇と一刀彫り人形です。

その他、利休好みの生駒高山の茶筅、桜井三輪の素麺、吉野葛、赤膚焼の陶器生産、柳沢吉里の郡山藩で盛んとなった金魚の養殖などなど。そしてなににもまして、武士道の真髄も大和からです。

柳生新陰流、十市県主今西家の系譜を継ぐ御子神典膳こと小野忠明の小野一刀流。

ともに将軍家指南役です。