事業の目的および趣旨

重文今西家住宅の保存維持管理活用事業/非公開古文書研究調査等

【事業の目的】
・ 今西家住宅及び古文書、古美術品等の一般公開及び利用

・今西家住宅及び古文書、古美術品等に関する研究調査

・ 今西家住宅及び古文書、古美術品等の研究に対する助成及び協力

・今西家住宅及び古文書、古美術品等に関する各種刊行物の発行

・ 今西家住宅及び古文書、古美術品等の保存管理及び修理

・今井町街区保存及びそのための助成
・今井町青少年のための育英助成と補助

・講演会・講座・体験教室・芸術鑑賞会等による教育普及活動

・その他前条の目的を達成する為に必要な事業


【事業の内容】

(1)重要文化財今西家住宅の一般公開にかかわる事業

 ・橿原市主催「今井町並散歩」および奈良・町家の芸術祭「ハナラート」の今井町エリアの一会場として協力

 ・奈良県内小学校の視察研修「大和今井を歩く」に協力

 ・奈良まほろばソムリエ検定体験学習の視察研修に協力

 ・ショーケースを設置して刀剣を公開

 

(2)重要文化財今西家住宅の保存維持管理に関わる事業

 ・専門家である宮大工・庭師・刀匠と研師により定期的な保存維持管理を行なっている。

 ・庭園の整備事業を行なった。

 ・消防署の指導の下、消火器の期限切れのために消火器を新調した。

 ・奈良県の補助のもと監視カメラを設置した。

 

(3)古文書、古美術品の研究調査・研究調査協力に関わる事業

 ・今井町の行政権および司法権、警察権を委ねられて携わっていたことからプライバシーに関わる文書が多数保存されており、非公開にしている古文書類を慎重に取り扱い、整理・目録作成によって今西家住宅及び今井町の歴史、起源、系譜などの研究及び調査を行い、専門家である歴史学者や奈良国立文化財研究所元所長、(公財)文化財建造物保存技術協会顧問、工学院大学教授の建築家、東京大学名誉教授の工学博士などが助言等で関与している。

 ・大学、大学院等からの研究調査依頼に協力し、その成果は書籍・大学等の学術論文等で広く発表されている。

 ・東京藝術大学大学院美術研究科文化財保存学科及び東京藝術大学美術学部に協力

 ・千葉大学大学院工学部建築学科都市科学専攻研究室へ当財団法人所有の長屋を無償貸与して、長屋を使用した復元作業等による伝統建造物の復元修復の演習に協力

 

(4)今井町街区保存と今井町青少年のための育英助成と補助に関わる継続事業

・幕末期まで今西家の旧宅地は、今井町環濠内の自衛のために春日神社境内から八幡神社までを含む今井町の西面一体を所領していた。

特に、今西家が盾になって一向宗道場を守るように塞がれていた御堂筋は、今井町の生活と産業に寄与するために(橿原市今井町3丁目679-3、296-4、296-6、295-2)を奈良県に無償貸与し県道として開通させ、今井町街区保存と今井都市緑化事業の協力のため今西家南西部(橿原市今井町3丁目679-3)を橿原市に無償貸与し、今井町青少年のための育英助成のために今西家茶室があった西部(橿原市今井町3丁目679-1、644-2、644-14)を今井児童公園として橿原市に寄贈した。
・(昭和六十三)1988年、今井青少年育英事業として橿原市立今井小学校図書館に「今西家文庫(やつむねぶんこ)」を創設し、20年間にわたって書籍を寄贈してきた。

 

【事業実施のための財源】

 一般公開による収益及び基本財産の運用益等を主な財源としている。

 

【補助金等】

 文化財保存事業費補助金 指定文化財管理事業(小修理) 奈良県

 文化財保存事業の補助金 重要文化財今西家住宅保存修理事業 橿原市

 

なお本事業は、今西家住宅及び古文書、古美術品の一般公開を通じて学術文化の発展を図っており、「学術及び科学技術の振興を目的とする事業」である。