今井町 称念寺 落慶法要

2022年(令和4年)11月27日、称念寺落慶法要に今井慶子住職に来賓として招待され、亡父の代理つもりで臨席させていただきました。


生前、祖母は、称念寺の修理について後々遺恨が出ない様に檀家総代に任せておくべきだと反対しましたが、儂がやら無いと先祖に申し訳がたたないと怒っておったのを記憶しております。

旧制畝傍中学の後輩である檀家総代の吉村徳久さんや檀家でもある細川佳秀橿原市議ら檀家の方々と何度も称念寺の修復について称念寺本堂や上本町ハイハイタウンにある父の事務所で協議をはかりました。

父は、将来のことも考慮して、各檀家に負担がかからないように熟慮し、称念寺を重要文化財にして修復する案を提示しました。

寺院としては、建立年代も新しい称念寺が重要文化財の指定が受けれるなど誰もが不可能だと思っておられた様に記憶しております。

懇意にしていた環境省事務次官だった船後正道氏の力添えと田野瀬良太郎衆議院議員と東京大学渡邉定夫名誉教授が奔走した結果、ようやく文化庁から本堂前の墓を移す事を条件に称念寺本堂を重要文化財の指定を受けさせることに成功させました。

それと並行して、本堂の文化財修理工事の際に本堂の前に瓦や材木の置き場を確保すべく中学の同級生である藤井株式会社(メリヤス工場)の土地を橿原市に買い上げさせて確保し各自檀家の墓地を移動させましたが、本町筋に資材置き場を確保出来た事で橿原市立今井保育園と旧南口門を復元もすることができました。

総修復費20億円前後掛かるというとてつもない費用が見積もられましたが、2002年に重文指定を受けることが出来たことで住職と檀家の負担金は軽減され一気に現実化しました。

2010年(平成22年)4月から称念寺の解体修理に入り、2019年(平成31年)12月に完成予定となっていましたが、本日落慶法要を迎えられたことは、誠に感慨深く感謝感激に絶えませんでした。

この美しく再興された本堂の中、内から湧き出る情熱で本堂を救おうという利他の力が一つになって成し遂げられたと感じました。まさに、これこそ他力本願だと!

祝辞で細川佳秀橿原市議長が涙ぐんで父に対してねぎらいの言葉をたむけていただいたことは、うれしく感動しました。田野瀬良太郎衆議院議員の秘書をしておられて事情に詳しい亀田忠彦橿原市長ももらい泣きしそうになったと仰っておられました。

そして、何よりあの世で父が良かったなぁと微笑んでいる事だろうと察せられました。
今西家18代目当主 今西 啓仁

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